極寒の雪に包まれた山脈に墜落……!絶望の中で希望を持ち続けた青年達の奇跡「雪山の絆」

極寒の雪に包まれた山脈に墜落……!絶望の中で希望を持ち続けた青年達の奇跡「雪山の絆」

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もし、突然雪山のど真ん中に放置されたら、救助が来るまで生き延びられる自信はありますか?

実話をもとにして制作された「雪山の絆」が第96回アカデミー賞で2部門にノミネート!

連絡手段は絶たれ、食料の残りは不明、風や雪をしのぐための衣類はない……。
そんな過酷な状況で人はどのくらい生き続けることができるのでしょうか。

1972年、チリへ向かうウルグアイのラグビー選手団を乗せたチャーター機が、アンデス山脈に墜落する事故が起こります。
この事故からは、幸いにも数十名が無事生還しました。

彼らが過ごしたのは過酷な雪山。
色々な知恵や力を合わせて生き延びた仲間たちの絆が描かれています。

遭難してから72時間が生存の壁と言われるなか、想像をはるかに超える日数を生き延びた彼ら。

生還するまでの壮絶な物語をご紹介!

事故発生まで

事故発生まで

1972年10月。ウルグアイのモンテビデオではラグビーの熱い試合が行われていました。
ウルグアイのチームは、試合後も意見を言い合い、お互いに切磋琢磨する仲の良いチーム。
連休のはじまる日、チームメンバーやその家族・友人たちを連れてチリで行われる試合へ飛び立つことになりました。

ウルグアイからチリへ向かうには、アンデス山脈をそのまま直進するのが最短ルートです。しかし、標高が高く衝突の危険があるため直進は難しく、南下しながら山の頂上が低くなる部分をさがし、その隙間から北上するのだとか。そこまで行けてしまえば、目的地のサンティアゴまでは10分ほど。

風の関係により航空機の機体は通常よりも揺れますが、機内にいる人々は度々起こる揺れに驚きながらもそれぞれ旅の時間を楽しんでいました。

間もなくサンティアゴに到着のアナウンスが入り、機内のテンションは最高潮!
しかし、機内のテンションと同じように機体の揺れもさらに大きくなり、恐怖を感じ始める人も……。

アンデス山脈の激しい気流に飲み込まれた機体は、不安定な運転になり、高度がどんどん下がっていきます。乗客全員の頭に最悪の事態がよぎり、美しい陽の光が差し込んだ途端、機体は半分に割れました。

ふっ飛ばされてほぼ命が助からない後方の機体に乗っていたら……。
前方に乗っていたとしても、何が起きているかわからないまま姿が見えなくなっていく仲間たちを見てしまったら……。
とてつもない恐怖が彼らを襲ったのです。

墜落してから

墜落してから

墜落後は前方の機体に乗っていたメンバーや家族たちの様子が映ります。
足がとんでもない方向へ曲がっている人、過呼吸を起こす人や体から血が溢れて止まらない人、もうすでに息絶えてしまった人……。
かなり深刻な状況です。

外部と連絡を取る頼みの綱である機長は、息はあるものの長くはもたない状態で絶望的。
さらに、すぐには救助が来ないため、極寒の世界で一夜を過ごさなければなりません。

アンデス山脈は位置する標高や季節によって気温差があります。選手団が墜落した場所は雪に覆われていて、日が沈むとかなりの低気温になる場所。雪山に登頂するような万全の装備をしていれば、怪我をしていない人たちは助かっていたのでしょうか……?

怪我の応急手当、雪を溶かして飲むことでの水分補給。睡眠による体温低下は死へと繋がってしまうため、体力の残っている者を中心として必死に「寝るな!」と声をかけ合います。

どうにか過酷な一夜を乗り越えることができますが、怪我をしている者が数名、ほとんど怪我のなかった者が数十名。「助けて」と夜通しつぶやき続けて、朝には体力を使い果たして息絶えた者もいました。

ここから数日ごとに命を落とした者たちの名前と享年が静かに表示されるシーンが流れます。この場面は、何度見ても切ない気持ちにさせられます。
選手の中にはまだ若い青年も多く、この事故で未来を失ってしまったのだと思うと本当に悲しいですよね。

救助を待つ

救助を待つ

生存者たちは絶望の中で、あと1日待てばと、救助隊が少しでも早く駆けつけてくれることを願います。そして、山脈で生きていくための行動を起こしていきました。
幸いなことにラグビーの選手団が中心だったおかげもあり、トレーニングで体を鍛えている男性が多くいます。負傷した者たちを運び出したり、座席を撤去して半分になった機体にスペースを作ったりすることがとてもスムーズにいきました。
もし女性や、子どもが多く乗っていたとしたら、スムーズに進んでいなかったのかもしれません。もちろん男性が多くてもほとんどが負傷者なら、なにもできないまま死の恐怖と戦うことしかできなかったでしょう。

機体前方に乗っていたうち、10人以上が一晩で命を落としました。昼間のうちにどうにか残っていた荷物から僅かな食料をみんなで分け合い、コートなどの衣類をかき集めて2日目の夜を迎えることに。

本来なら、パイロットと連絡がとれなくなれば何が起こったのかを調べ、墜落など事故の可能性があればすぐに救助が来ます。しかし、ここはアンデス山脈のど真ん中。
電波が通じにくい場所です。昼はまだおだやかでも夜になれば吹雪が起こり、墜落した機体は上空からはどんどん見つけにくい状態に……。
救助隊が向かってくれていると信じて、とにかく待つしかありませんでした。
一方機体の後方にいたメンバーの消息は不明のまま……。

3日目には、少しでも見つかりやすいように工夫を始めます。
一部の者たちは、後方へ吹き飛んだ機体を探しに行きました。軽装で高度が高く斜面のある雪山を登るのは、かなりの体力を必要としたはず。見ているだけで、こちらまで呼吸が苦しくなってきてしまいます……。

あっという間に食料も尽き、正気を失う者も出始める4日目。
食料に関して、普段の生活の中では倫理観に反する究極の案がついに出てしまいます。
何を食べる案が上がったと思いますか?
答えはぜひ作品を見て確認してみてください。

その選択肢を迫られたとき、自分だったら「食べる」「食べない」どちらの選択をするか、見ている間も見終わってからも答えが出せませんでした。

作中でも意見は割れ、何日たっても一切口にしようとしない者も。しかし、何も口にしないままいればどんどん衰弱していきます。生きていくためには、避けては通れない選択だったのかもしれませんね。

ついに救助へ……

ついに救助へ……

あっという間に半月が経過。
修理して繋がったラジオから流れてきたのは、自分たちの捜索を打ち切ったという考えたくない衝撃の内容でした。

「もうこのまま全滅するまで助けはこないのかもしれない」ラジオを聞いていた全員がそう感じたであろう瞬間は、演技を超越した絶望感が伝わってきます。

捜索開始から10日間で66回も捜索が行われたと言いますが、その間に見つけてもらうことはできなかったのです。日数が経過していることから、次回の捜索はなんと雪解けのはじまる年明けになってから……。

さらに絶望的な状況に追い打ちをかけるような出来事も起き、思わず目を背けたくなるシーンが続きます。
ここは、まだまだ作品の中盤。すでに最悪の事態といえるほどの状況なのに、さらにどんな事が起こってしまうのか想像もできませんよね。
「誰も悪いことをしたわけじゃないのに、なぜこんなことに……?」
彼らは、行場のない怒りと悲しみを抱えていたのかと思うと、観ていてとても辛くなりました。

過酷な日々を乗り越えて、体力のある3人が山の麓に村があるかもしれない、と助けをよびに行くための準備を整えていきます。その時点で、経過している日数はなんと58日……!
限界を迎える者が徐々に増えながらも、およそ2ヶ月弱をなんとか生き延びていた人が数十人もいたというから驚きです。団結力のあるメンバーの絆と、生き延びるための知識を持った人が多くいたことで命が繋がったのかもしれません。

果たして救助までどのくらいの日数が経過し、どのようにして来ることになったのか。
そして45名のうち最終的に何人が無事に救助されたのかはぜひ作品を観てご確認ください。

まとめ

「雪山の絆」は実話をもとにしてつくられた映画作品です。登場人物を演じている俳優たちの迫真の演技は、観ているこちらまで実際にその環境にいるように思えてしまうほど。適温の場所で見ているはずなのに、なぜか同じ山脈にいるような気がしてしまうほどの寒さが伝わってきます。最初は健康的だった人たちがどんどんやつれていくのも、かなり大変な役作りがあったのでしょう。

作品に出演している俳優のほとんどが新人だとか!
演じているけれど型にはまらない、自然な表現がさらに臨場感を出しているのかもしれませんね。

ショッキングなシーンも含めて、ラグビー選手団が過酷な状況で絆を深めていく心にしみる作品です。

ぜひ最後まで生き抜いた彼らの雄姿を見届けてください。

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