ウルトラマンが怪獣の子供を子育て⁉「Ultraman:Rising」は”本当に守るべきものは何か”を問うヒーローの成長物語!
ウルトラマンといえば、どんなイメージが浮かんできますか?
歴代のウルトラマンは40人以上存在しますが、みんな銀色の大きな身体に、パワフルな戦闘シーン、スペシウム光線など、力強い姿を思い浮かべる人も多いはず。
そんな世代を超えて長く愛されている変身ヒーローが、実写だけでなくアニメの世界へ登場です!
アニメ化されているシリーズは他にもありますが、アニメっぽさとリアル感を融合させた映像美を「Ultraman:Rising」でご覧ください。
あらすじ
アメリカのメジャーリーグで、スター選手として活躍していたケンジは、父親の跡を継ぎ、ウルトラマンとして活動するために日本に帰国します。
日本では巨人軍の選手として活動しながら、正体を隠したウルトラマンとしての日常を送っているケンジ。ウルトラマンとしての活動や父親に対して不満があり、さらには怪獣との戦い方で上手く行かず街を破壊してしまうことも。
慣れた土地、チームメイトとも距離を置いて日本で怪獣と戦うケンジのストレスは計り知れないものでした。
そして母親も行方知れずで、生きているかも死んでいるのかもわからない状態のまま……。そんな状況でケンジの家族は、心も身体も離れ離れになっていました。
唯一の心の拠り所は、両親がケンジに残したスーパーコンピューターの"ミナ"だけ。
心がモヤモヤした状態のまま、世界平和のためにとウルトラマンとなって戦う宿命を持つケンジは、怪獣との戦いで肩を壊してしまいます。
スポーツ選手である以上、身体のことは人一倍気を遣わないといけませんが、自分の不注意が原因ではなく、不本意な任務で負ったケガであればその辛い心境は計り知れません。
ある日、なんとケンジの試合中に怪獣「ジャイガントロン」と、怪獣防衛隊のKDFとの戦いが始まってしまいます。
球場を攻撃しようとするジャイガントロンを止めるべく、ケンジは急いでウルトラマンに変身。
KDFとの攻防の末ジャイガントロンは倒れてしまい、ケンジの手に残ったのはひとつの卵……!
子怪獣との出会いを経てケンジは何を思い、どのように成長するのか。
そして、地球の未来はどうなってしまうのでしょうか?
まさか子怪獣を育てることに!?
親怪獣が落とした卵をウルトラマンの姿のケンジが手にすると、羽化が始まってしまい赤ちゃん怪獣が誕生!
ケンジの手のひらで生まれた赤ちゃん怪獣は、ウルトラマン姿のケンジを「親」だと思い込んでしまいます。
ウルトラマンの姿では小さい怪獣も、人間のケンジから見れば巨大なモンスター。
それでも親を失った今、ケンジしかその子怪獣を育てる人はいないのです。
変身を解いたケンジをウルトラマンと同一人物だと理解してもらうまでも一苦労!
泣きわめく子怪獣が大暴れし、室内は破壊され、まさにモンスター。
見捨てるわけにもいかず、ケンジはお世話を開始します。
何を食べるのか? 何をすれば喜ぶのか? 子怪獣の扱い方がわからないケンジは、食事の世話からおトイレまでもちろん初めてのことばかり。
人間の赤ちゃんのお世話も想像を絶する大変さだというのに、怪獣の子育てはなんと困難を極めることでしょう。
慣れない育児のために奮闘するケンジの努力はとても涙ぐましいもの。
お仕事である野球と怪獣の育児、そして街を守る……。ケンジの1日はなんともハードスケジュールです。
ゆっくり休めず睡眠不足で怪我も治らず、大好きな野球でも成果をだせず、苛立つ毎日
。
あまりに過酷な運命と宿命を背負う姿に、家族のような気持ちでケンジを応援したくなります。
しかし子怪獣の成長と共に距離は縮まり、本当の親子のような関係に。子怪獣の成長を心から喜ぶケンジの心は親そのもの。
ケンジの家族を守る熱い心を感じとれますよ。
そして、ケンジと彼の父親との間にあった確執も、子怪獣を育てると共に変化していきます。家族の形と家族の愛の形に心を打たれること間違いなし。
英語で「上昇」を意味する、本作のタイトルの「Rising」。
ケンジが直面する問題に挑戦する姿勢や、成長を表しているのかもしれませんね。
KDFは敵?味方?
KDF(Kaiju Defensive Force:怪獣防衛隊)は、ウルトラマンと協力して怪獣の脅威から人類を守る為に設立された組織です。
しかし、KDFは怪獣を完全に根絶することが目的であり、ウルトラマンはただ倒すだけではなく、保護することも目的としています。
物語の中で登場する「怪獣島」を見つけ出し怪獣を絶滅させようとしますが、ウルトラマンは島に怪獣たちを返そうとします。
お互いの目的が食い違うことにより、ウルトラマンと対立することもあります。
KDFもウルトラマンも、人類を守るという共通の目的がありますが、本作でのKDFのリーダーである稲田博士の心境は、どうもそれだけではないようです……。
没入感の高いアニメーション技術
本作のキャラクターたちは、アニメ独特の大袈裟なモーションというよりも、リアルな人間の動き!
アニメーションながらも、実写と変わらぬ映画を観ているような感覚になり、没入感を味わえます。
作中では「ぐんぐんカット」と呼ばれる、ウルトラマンがどんどん巨大化して変身するお馴染みのシーンも登場! 長年のファンには嬉しい、漫画のような構図も見どころです。
現代のリアルで美しい映像美と、上手く調和がとれた迫力あるシーンはどれも必見!
大迫力のクライマックスシーンは瞬きを忘れて魅入ってしまうほど♪
ヒューマンドラマでもあり、アクション映画でもあり、大満足の作品です。
たくさんの謎!
怪獣や怪獣島の起源、そしてケンジやお父さんがなぜウルトラマンなのかという詳細は、この映画では明かされていません。
ウルトラマンも怪獣も、どこからきて、どこへ向かうのかという謎はこれからのシリーズで判明していくのかもしれませんね。
気になるラストは続編がありそうな終わり方! 今後どのように展開するのかワクワクしますよ♪
まとめ
仕事と、生活と、家族と……。まさに現代社会の大人が抱える問題なのではないでしょうか。
子育て世代はもちろん、子どもがいない人も「子育てってこんなに大変なんだ!」という新しい発見があるかもしれません。
親に感謝したり、子供の成長を懐かしんだり。親子や夫婦で観ても、気づきや感謝が生まれるハートフルな物語。
アクションシーンは迫力満点なので、スカっとしたい時にもぴったりの作品です!
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