どれだけ深く人を愛せるか「余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。」純愛の決定版!
「余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。」は、同名の小説が原作の物語。
コミカライズもされており、感動的なラブストーリーです。主演は「King & Prince」の永瀬廉さんと、出口夏希さん。二人の演技が心に響くこと間違いなしの本作品は、涙するだけでなく、未来のために前を向きたくなるおススメの作品ですよ。
あらすじ
青い空がどこまでも続く晴れた日、主人公の秋人はスマホを握りしめ、楽に死ねる方法を探していました。そんな折、病院の屋上で絵を描くひとりの少女に出会います。
色彩豊かな絵を描く彼女に、何の絵を描いているかと聞くと「天国。もうすぐ私が行くところ。」と答えます。
少女は難病で、余命はわずか半年だというのでした。淡々と語る彼女に、秋人が「死ぬのは怖くないの?」と尋ねると、「怖くないよ」とほほ笑む彼女。秋人は彼女の笑顔に、とても複雑な気持ちになります。
なぜなら、秋人は心臓に腫瘍があり、余命一年と宣告されていたからなのでした。
優れた美術の才能をもつ秋人は二科展入選を目指して奮闘していましたが、そんな夢も病気によって絶たれてしまっていました。死ぬのが怖い秋人は、もう一度少女に会おうとします。
彼女の強さが、何なのか知りたくて。春奈と逢ううちに、秋人の生きる目的が心を固めていきます。その少女は春奈といい、秋人は2人で過ごす時間がかけがえのないものになっていくのでした。
お互いの世界が鮮やかに彩られていく中で、残された時間は刻一刻と迫っています。
限られた時間の中で、2人は何を考え、何を大切にし、どう生きるのか。
生きることの意味を問う2人の恋の結末は……。
言葉にできない想い
春奈と過ごす日々の中で、自分の病気のことを話せずにいる秋人。何度か話そうとするものの、タイミングが合わず、言えずにいました。
自分の病気を看護師である春奈の母親に知られてしまった時には、春奈に言わないで欲しいと口留めします。お互いに惹かれつつも友達であり、親友であり、かけがえのない思いを通わせる純愛。
大切な人や家族に、自分の病気や思っていることを素直に話せるだろうか? 相手の反応が怖くて、話せなくなってしまうのではないか? と、自分自身や友人家族との関係についても、改めて考えさせられるシーンも多いです。
大切な人に全てを知っていて欲しいと思うのか、それとも隠して綺麗な思いと日々を積み重ねていきたいと思うのか。
人によって様々な答えがありそうですよね。あなたは、かけがえのない大切な人たちに、自分の生き方や想いを伝えられますか?
自分の周りの人達との関係を、改めて見直すきっかけにもなりそうなエピソードが満載です。
毎日の日常が幸せ
朝起きて学校へ行って、友達と笑い合って……。
そんな"当たり前"が難しかった春奈。そして、そんな普通な日常が病気によってモノクロの世界に変わってしまっていた秋人。
お互いが出会ったことで、些細な日常が宝物のように大事な日々であることに気付く二人。
学校で友達と笑い合って学校行事を過ごして、喧嘩して……。
春奈ができなかったことを、秋人は「2人が普通の17歳らしく残された時間を過ごしたい」と、春奈に"生きている今"を楽しんでもらおうと奮闘します。そんな2人の日常を繊細に演じる俳優、女優陣の演技力にも感動です。
透明感のある春奈役の出口夏希さん。そして、優しく芯のある秋人役の永瀬廉さん。主人公2人の表情や視線、そして震える声なども物語に深みを与えています。
余命を知って早く死にたいと思っていた二人が今の時間を大切にし、ただお互いを思い合う日々が尊いです。
私たちも目に見える命の期限がなかったとしても、いつか人生の終わりを迎えるもの。
それまでに自分が1分、1秒をどう生きるか?
秋人と春奈の物語を観ることで、人生の在り方や時間の大切さを改めて鑑みることができるのではないでしょうか。
リアルな世界感
主人公2人が学生ということもあり、非現実的な逃避行することもなければ、ファンタジー映画のような出来事が起こるわけでもありません。恋愛ドラマにありがちな展開を外し、「なるほど、こうくるか…」というシーンが実にリアルです。
もしも2人が病気なら、確かにこういったこともあるでしょう、という、ご都合主義ではないすれ違いもあり、大袈裟ではない演出がかえって新鮮でした。残酷なまでの"普通の日常"が、より2人の愛を際立たせていました。
また、大人たちが我が子を思い胸を痛めるシーンも、感情移入してしまいます。
燃えるような自暴自棄になるような、熱い恋ではなくとも、静かに、それでも熱の高い蒼い炎のような恋に、視聴者は心焦がされるのではないでしょうか。
美しい風景描写とガーベラの彩り
秋人の悩みとは裏腹に、どこまでも澄み渡る広々とした青い空。冒頭で映し出される、世界の美しさが、秋人との心の対比を表しています。
2人の青春の青ともいえる御空色(みそらいろ)のフィルターがかかり、儚く淡い日常を表現している美しい世界です。
御空色は、明るく澄んだ秋の空のような薄い青色のことを指し、まさに秋人から見た春奈を見た世界の色のようですね。
秋人の持ってきたガーベラの花が色とりどりで美しく、2人の世界がこんな鮮やかな色彩に彩られているのかと思うと切ないですね。
病室から見た花火も、一瞬の煌めく輝きと相俟って、より美しく感じてしまいます。
青い空も、新緑も、花火も、夕焼けも、ただそこにある景色がいかに美しい世界なのかと、心が震える映像美です。
まとめ
好きだから、というだけではない、お互いを思いやる純粋な愛に涙が止まりません。
特にクライマックスからのラストは、2人の時間がいかに大切だったかを感じさせられます。
ガーベラの花言葉を含め、単に美化されたものではなく、死と向き合い生きていく人たちがどうやって自分の人生と向き合っていくかを考えさせられる感動の作品です。
ただ純粋に人を愛してみたくなる、恋をしてみたくなる。そんな心震えるラブストーリーを観たい人におススメです!
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