忙しいアナタにおすすめ!SF好きさんにピッタリな1話完結のアンソロジースタイルの「ブラック・ミラー」!
映画を観る程の時間はないけど、スキマ時間にサクッと楽しみたい! なんて人も多いはず。
そんなときは、「ブラック・ミラー」がおすすめ。物語の続きを気にせず観ることができるから、移動中や家事の合間、寝る前でも楽しめますよ!
先の読めない展開や、大どんでん返し、AIや未来の科学・工学が活用された世界……。
テーマは一貫していますが、1話ごとに登場するキャストが変わり、それぞれ独立した物語として楽しむことができます。
近未来に存在し得るかもしれない、最新テクノロジー。現実に起こり得るのでは? という想像とスリルがたまらない、本シリーズをご紹介します。
予想できない展開の数々!あらすじをご紹介
現在シーズン1から6まで配信されている「ブラック・ミラー」。今回は、全シーズンから筆者イチオシのストーリーをピックアップしてお届けします!
まずは、中でもオススメなシーズン6からご紹介します。
情報漏洩の恐怖!「ジョーンは酷い人」
主人公のジョーンは、大手企業で働くごく普通の会社員。しかし、私生活では恋人に不満を抱えています。
ある日ストリーミングプラットで、大人気ドラマが始まったのを知り、恋人と一緒に観始めると……。そこには、有名女優が演じる、自分そっくりの登場人物が映し出されていたのでした。
名前、髪型や職業、すべてが同じ。ドラマで流れるストーリーは、まるで自分の生活を盗み見されたような出来事ばかりで、驚愕するジョーン。
秘密にしたい内容や、職場での機密情報までも、全世界に流れてしまいます。
しかも、ドラマの内容やセリフは真実より誇張されており、「酷い人」であるように演出されていたのです。
更に驚くのは、数分遅れで「今あったこと」がドラマで再現されていくこと。
ドラマは事前に収録しているはず。未来予知でもしているのかと、何が何だかわからないまま、困惑するジョーン。
弁護士を訪ねると、ストリーミング会社には違法性がないといいます。
俳優たちはイメージを貸しているだけで、なんとCGで作られており、コンピューターがその場でドラマを作っているそう。
全ての情報は携帯から収集され、即座に配信されるようになっているのでした。
名誉棄損を訴えても、打つ手なし……!
心打ちひしがれて絶望を感じるジョーンですが、とっておきの秘策を考えつきます。
それは自分を演じる大物女優のサルマ・ハエックを巻き込んでいく、一世一代ともいえる大胆な方法。
そして作品の中盤から終盤にかけて、この物語が急展開していきます。
誰が何のためにこんなドラマを作ったのか? ジョーンはこの絶望的な状況から、幸せになれるのか?
「そういうことだったのか……!」と、エンディングまで予測できないどんでん返しが、観ていて気持ちの良い作品です。
現在の広告ですら、年代や趣向に基づいてAIにリサーチされている世界ですから、近い未来こんな危険もあるのかもしれない……と考えさせられますよ!
続いての別のシーズンからオススメのストーリーをピックアップ!
完全管理された世界「1500万メリット」
目覚めるとそこは、小さな箱で管理された世界。あるものは生活に必要最低限の、寝具と洗面台だけ。
この世界で生きるために必要なものは「メリット」というポイント。これをお金のように使用し、食料などを入手していきます。
画面に映る広告を飛ばすだけでもポイントを必要とする、そんな誰かに飼われているような世界。
人々は決まった位置で自転車のペダルをこぎ続けるだけの空虚な日々を過ごしていました。唯一の娯楽はペダルをこいでいるときに、モニター画面に映し出される決まった番組のみ。
自由を手にするためには、「ホットショット」で特技を披露し、審査員に見初められること。見染められた出場者は労働から解放され、番組と名声、自由と莫大な財産を約束されます。
ただし、参加するためには高額なチケットを購入する必要があり、そのためのポイントを貯めるには半年以上もかかります。
恋愛すらままならない世界で主人公のビングは、同じ世界で生きるアビの歌声に恋をします。
幾度か会話を交わし、ビングはアビに「ホットショット」への出演を促し、参加費の1200万メリットのチケットをプレゼントしました。
そしてビングとアビは「ホットショット」に参戦し、歌声を披露します。アビの美しい歌声は認められ、自由への切符を手にするのでした。ただし、そこには条件が……。
歌声を認められたのではなく、美しい美貌とプロポーションであり、エロティシズムな娯楽としての需要でした。
出場前に意識を朦朧とさせる薬を飲まされたアビは、審査員に問い詰められるたびに正常な判断を無くしていきます。
そして追いつめられたアビはとうとう承諾してしまうのでした。
その後、彼女に全財産を渡してしまったことで、部屋に表示されたアビの広告スキップすることすらできません。
そんな変わってしまったアビの姿を見て気が狂ってしまい、アビが映ったモニターをたたき割ってしまいます。
しかし、彼女が飲まされたドリンクに何か入っていたのではないか? と思いはじめたビング。彼は死に物狂いで新たにポイントを貯め続けます。そして、割れたモニターの破片を服に忍ばせ、「ホットショット」の出番を待つのでした。
そしてそこでとったビングの行動とは……?
ビングのパフォーマンスはどんなものなのか、ビングの訴えは審査員に響くのか。
ビングの熱い想いと管理社会、人間の本能を考えさせられるラストに衝撃が走ること間違いなしです。
彼は幸せを手に入れられるのか、得たのは空虚か、それとも幸せか。
大きなバトルや争いなどはありませんが、粛々と描かれるヒューマンドラマ。
それが逆に近未来ながらもリアリティを感じさせてくれます。
「いつか、こんなバーチャルな世界が現実になるのかもしれない」と思わされる、SF感溢れる作品です。
故人をAIで蘇らせる「ずっと側にいて」
愛しいあなたは”本物”なのかを問う、SFならではのテーマ。楽しい日々を送っていたマーサは、事故で最愛の恋人アッシュを失います。
マーサは寂しさから、故人を蘇らせるサービスに登録することに。
アッシュと同じ思考パターンで会話するAIチャットに、マーサの心は慰められます。
妊娠を告げた彼女の心の支えになるものは、AIチャットで次の段階に進みます。
電話での通話もできるようになりますが、彼はクラウドの中……。肉体を持ちません。
ある日、通話用の携帯を落として壊してしまったマーサ。すぐに通話できるようになりましたが、また壊れて彼が消えてしまうのではないかと泣き出します。
そんなとき、クラウドにいるアッシュからさらに次のサービスの提案が。
最先端の技術で生前とまったく同じ姿で戻ってきたアッシュに、戸惑いながらも愛を確かめ合うマーサ。
しかし、AIとして学んでいる途中の彼は生前の彼とは違い、何もかもが空虚でした。
反論せず自分の思考がなく、まるでロボットのように言う通りに動くだけの彼に気がおかしくなっていくマーサ。
もう彼を手放そうと、かつて自殺の名所だとアッシュに話した崖から「飛んで」と命令してしまいます。
自我がないと思われていたアンドロイドのアッシュ。しかし彼は「死にたくない」と泣いて懇願します。そしてマーサが出した答えとは?
AIやアンドロイドに人権はあるのか、記憶が一致していたらそれは本物なのか、偽物なのか。
こういったサービスが実現しつつある世の中で、自分の生前のデータはなるべく多いほうが良いのかもしれないと思わされる深さもあります。
これを観た後、あなたは愛する人をAIで蘇らせたいと思いますか?
シーズン1は全3話。現代社会において皮肉や人間の心の闇を描いたものが多い印象でした。
シーズン2は全4話。最新技術の進化をテーマに、ミステリーや、仮想現実のキャラとリアルのギャップに苦悩する姿など、バラエティに富んでいます。
シーズン3は全5話、シーズン4は5話、シーズン6は5話と見応えたっぷり!
まとめ
どのストーリーも考えさせられる内容ばかりで、「これぞブラック・ミラー!」ともいえる、大人な世界感に時間が経つのを忘れて見入ってしまうほど。
それぞれの物語の中で、何気ない歌詞や行動など、物語の中盤までに散りばめられていた伏線が回収されていく鮮やかさに感服です!
進化するテクノロジーと相反して、自由を失う様も、便利なものと表裏一体だということに気づかされますね。
それぞれの話が独立しているので、気に入った物語から少しずつ観ることができるのも嬉しいポイント!
ハッピーエンドもバッドエンドも楽しめる、バラエティ豊かなラインナップを是非お楽しみください。
Netflixシリーズ「ブラック・ミラー」独占配信中