謎解きミステリーが面白い!「ナイブズ・アウト:グラス・オニオン」のタイトルの意味するものとは?
6代目ジェームズ・ボンドで知られるダニエル・クレイグが主演の「ナイブズ・アウト:グラス・オニオン」。
ナイブズアウトシリーズでは2とされる本作品でも、探偵のブノワ・ブランが事件の真相に切り込んでいきます。
真相に辿り着くまでの、キレの良い推理や追い込みは見ていてスカッとしますよ!
コメディあり、ミステリー有りの本作の魅力をご紹介します。
誰もが怪しい!罠を仕掛けている人は誰?イントロから目が離せない「ナイブズ・アウト:グラス・オニオン」のあらすじ
楽しいことが大好きな、IT企業アルファ社の大富豪、「マイルズ・ブロン」は、仕掛け付の大きな箱を友人たちに送り、ミステリーイベントを開催します。箱の謎を解いた友人たちには、自分のプライベートアイランドへの招待状が!
本作の主人公で探偵のブノワ・ブランも、このマイルズの孤島に招待された一人でしたが、島についてから主催者のマイルズに挨拶をしてビックリ。
なんと主催者のマイルズは招待した覚えがないというのです。
誰がブノワを招待したのか? 罠を仕掛けている人は誰か? 誰もが疑心暗鬼になります。
不穏な空気の中、招かれざる客だったブノワの軽快な謎解きが繰り広げられるシーンは必見です!
単純に「ガラスの玉ネギ」というだけではない「グラスオニオン」の隠された意味を考察!
タイトルのグラス・オニオンは、本編で出てくる建物の名前ですが、比喩的な意味も含まれているようです。
グラスオニオンはイギリスのスラングで、単眼鏡を指すのだとか。まさに探偵の眼鏡をイメージしそうな表現ですよね。
単眼鏡という意味だけで考えても、双眼鏡や拡大鏡もありますし、「片目を閉じて視る」という意味では、灯台下暗しという意味もあるかもしれません。
いずれにしても、人は見たいものしか見ない。それも、とても視野の狭い範囲だけ……。と、人間の欲の在り方を表現しているよう。
物語の中でも、登場人物たちは各々の後ろめたい事情を持っており、暗黙の協定を結んでいたのでした。
玉ネギという意味では、1枚ずつ皮が剥かれるように、少しずつ事件が暴かれていく様子や、幾重にも重なった人間模様を表しているのかもしれません。
それがガラス製ですから、脆く壊れやすく、もしかすると皮なんて剥がなくとも真相は丸見えになる運命なのかもしれません。
謎解きミステリーである本作の、ストーリーの展開もふまえた、秀逸なタイトルなのではないでしょうか?
主人公ブノワは、退屈な日々に嫌気がさしながらネットゲームをしていますが、そのゲームですらマーダーゲーム。
誰が犯人かを当て合うゲームであり、複数人が関わっていることなども、まさに本編を意味しているといえる憎い演出です。
ブノワに届いた箱ですら伏線となっているのですから、あちこちにちりばめられた伏線に感動するばかり!
冒頭で島に集められた登場人物たちが交わす、何気ない会話もしっかりと伏線になっており、後の事件に繋がります。
好きなもの、嫌いなもの、出会った場所、それはいつどこで? というところまで注目してみてください。
あまりにさりげない瞬間も、一度最後まで観てから「あのシーンだったのか!」と驚くこと請け合いですよ!
また、多くの人気俳優たちがカメオ出演しているのも特徴です。
一度観ただけでは気づかない、こうした小ネタも満載な素敵な作品です!
作品全体のテーマは破壊!?
物語の冒頭から、溶けない箱の謎を「壊す」ことで招待券を手に入れた「ブランド」が、この物語のキーとなっています。
マイルズが築き上げたお金で人々を支配する関係が、ひとつの事件をきっかけにどんどん崩壊していきます。
度々登場する、壊れる・壊すという演出は、隠された秘密が明らかにされることや、「歪んだ関係を清算する」という意味も含めているのではないでしょうか?
特にクライマックスのブランドの行動に注目です。
大人になってから、こんなに爽快に物を破壊する機会なんてありません!
そして「何」を破壊するのか。これも物語のキーになっていますので、是非最後までご覧ください。
まとめ
「破壊者」という繋がりで集まったメンバーが身に抱える、破壊の栄光とは?
「永遠にモナリザと共に名前を残したい」という、マイルズの夢は叶うのか?
登場人物と一緒に謎解きをしたり、ハラハラしたスリルを味わったりと、ミステリー映画の魅力がつまった作品です。
そして本作はコメディ要素も多く、恐怖シーンよりも笑いが多い仕上がりとなっています。
ミステリー好きさんも、そうではない人も、満足できるのではないでしょうか?
誰もが怪しく、誰もが犯人になりうる状況で、ミスリードを誘いながら展開されていく、上質ミステリーを是非お楽しみください。
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