戦争に勝者はいない「機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム」戦友を亡くした兵士と医師の葛藤
子ども向けロボットアニメではなかった、ガンダムならではの喪失感と命の価値を問うシーン。
1979~1980年にかけて放送された、シリーズの記念すべき第1作目「機動戦士ガンダム」。当時のロボットアニメは分かりやすい勧善懲悪、毎週新たなやられ役メカが正義のヒーローロボットに倒されるという、子ども向けのシンプルなものが中心でした。
そんな中登場した「機動戦士ガンダム」は、戦争を真正面から捉え、仲間を失う喪失感や敵として戦っている相手も同じ人間であるというリアルな描写があり、後の劇場版の公開やガンプラの発売といった社会現象へとつながっていきます。
Netflixシリーズとして配信された「機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム」もその例に漏れず、戦友を失ったジオン兵と、敵味方を問わず負傷者を助ける医師の意見が衝突する場面が登場。そんなシーンを切りとった、ガンダムシリーズならではの動画を紹介しましょう。
復讐ではなく平和を選んでほしいんです
地球連邦軍の反抗計画であるオデッサ作戦の直前、地球連邦軍の奇襲に遭遇し、多くの兵士やモビルスーツを含む火器を失ったジオン公国軍。装甲科歩兵第1中隊唯一の生存者となってしまったヘイリー・アーフン少尉は、寂寥感に包まれていました。
そこに声をかけたオニー・カスガは、どちらの軍にも所属せず中立立場で負傷した兵士らを助けるUMRCに所属する医師です。撤退中、自分に銃を向けている地球連邦軍兵士を撃ち救出してくれたアーフン少尉に対し、「警告もなしになぜ撃ったのか」と詰問したことがあります。
同じ戦場にいながら、「あんたの助けた連邦兵に仲間が殺される」「助けた人が生き延びたとき、自分たちの失ったものを見たとき、復讐ではなく平和を選んでほしい」と、意見の食い違うアーフン少尉とカスガ医師の姿は、戦争に勝者はいないという言葉を想起させる場面でしょう。
戦争に巻き込まれた人たちが生々しく活写される、ガンダムらしさ満載の「機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム」。リアルに再現されたモビルスーツの戦闘シーンだけでなく、葛藤を抱えた兵士たちのヒューマンドラマも魅力のひとつです。
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