
倍賞千恵子の記憶に残る名演技は必見!カンヌ国際映画祭受賞作3選+1

カンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを受賞した3作品と、「ある視点」部門に出品された名作を紹介!
毎年3月に開催されるアメリカのアカデミー賞と並び注目を集める、フランスのカンヌ国際映画祭。毎年5月に開催されるカンヌ国際映画祭は、世界最大規模の映画見本市を兼ねているため、隠れた名作が脚光を浴びるという特徴もあります。
また「影武者」「楢山節考(ならやまぶしこう)」など、これまで最高賞であるパルムドールを日本映画が5作品受賞したこともあり、より身近に感じている人も多いでしょう。
そんなパルムドール受賞映画3本と、バラエティ豊かな個性的あふれるこだわり作品が対象となる「ある視点」部門に出品された1本をご紹介。お休みの日にのんびり名作に浸るのはいかがですか?

どの作品もテーマの着目点が秀逸

始めに、日本、スウェーデン、韓国という国際色豊かなパルムドール受賞3作品を、続いて「ある視点」部門出品作品の順に見ていきましょう。
■万引き家族
「そして父になる」でカンヌ国際映画祭コンペティション部門の審査員賞、「ベイビー・ブローカー」でエキュメニカル審査員賞を受賞した是枝裕和監督が、今村昌平監督の「うなぎ」以来21年ぶりにパルムドールを獲得したのが「万引き家族」です。
家族ぐるみで万引きを繰り返し生活していた一家にひとりの子どもが加わったことで、笑顔の絶えない家庭がバラバラになっていくヒューマンドラマを、リリー・フランキー、樹木希林、安藤サクラといった実力派俳優が情緒たっぷりに演じました。
■逆転のトライアングル
イケイケのインフルエンサーや、チップをもらうためならどんなご機嫌取りもする客室乗務員らが乗る豪華クルーズ船が難破し、さらに海賊に襲われ無人島に流れ着くという悲劇に襲われます。
食べ物も水もSNSもない世界に放り出された彼らは、まったく役に立たないただのポンコツに。そんな極限状態の人びとの頂点に立ったのは、サバイバル能力にたけていたトイレ清掃員でした。
突如訪れたヒエラルキーの逆転をブラックユーモアたっぷりに描く本作は、第95回アカデミー賞でも作品、監督、脚本賞にノミネートされた話題作です。
■パラサイト 半地下の家族
韓国映画初となるパルムドール受賞タイトルであり、第92回アカデミー賞で外国語映画初の作品賞と、監督、脚本、国際長編映画賞の4冠達成した作品。
全員が失業中という家族の中、長男のギウがIT企業CEOの豪邸に家庭教師として働くため面接に赴いたところ見事採用されます。好印象を持たれたギウは妹を美術家庭教師として送り込むことに成功。
まったく境遇の異なるふたつの家族。やがて彼らの邂逅は、想像もしなかった衝撃の方向へと突き進んでいくことになるのです。
■PLAN 75
75歳以上になると生死を自ら選択できる「プラン75」制度が施行されている近未来の日本。夫と死別した清掃員が、高齢を理由に職を解雇され住む場所も失う危機に陥り、このプランを検討し始めます。
しかし、市役所の担当職員や、その日までサポートをするコールセンタースタッフらはこの制度自体に疑問を持つようになり……。
本作は早川千絵監督の長編デビュー作であり、第75回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門への出品ならびにカメラドール(新人監督賞)のスペシャル・メンション(次点)に選ばれました。
78歳の主人公・角谷ミチ役の倍賞千恵子が印象に残る自然な演技を披露し、日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞にノミネートされています。記事内の動画はこの作品のいちシーンです。
紹介した4作品はどれも2025年5月現在、Netflixで視聴できるものばかり。この機会にぜひご覧ください!
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