
予測不能の恋物語「さよならのつづき」亡き恋人の記憶に導かれるふたりの運命とは

亡くなった恋人の記憶を持つ人が現れたら、あなたはどうしますか?
「さよならのつづき」は、「8年越しの花嫁 奇跡の実話」や「余命10年」などで知られる脚本家・岡田惠和が描く完全オリジナルストーリーです。臓器移植によって起こる記憶転移が題材となっており、恋人を失ったヒロインを有村架純、その恋人の心臓を移植されたことで一命を取り留めた男性を坂口健太郎が演じます。

あらすじ


主人公のさえ子が恋人の雄介にプロポーズをされるところから始まる物語。ふたりは雪山を走るバスのなかで、和気あいあいと未来の話をしていました。しかし、しあわせ絶頂のふたりに悲劇が訪れます。バスが雪崩に巻き込まれ、横転してしまうのです。そして、雄介だけが帰らぬ人となりました。
時は経ち、雄介と暮らす予定だったおしゃれな青い壁の家に引っ越したさえ子。大きな悲しみを抱えながらも新しい生活を送るなかで、ある日どことなく雄介に似た雰囲気を感じる人、成瀬と出会います。穏やかな雰囲気は真逆ですが、ふと発する言葉が雄介そのもの。それもそのはず、成瀬は雄介の心臓を移植されたことで命を救われた人物なのでした。
さえ子と成瀬はサンクスレターを通してやり取りはしたものの、匿名で送るというルールからお互いのことを知りません。ただ、成瀬の心臓は雄介の記憶を持っており、初対面にも関わらずどこかで会ったような感覚を抱くのです。
そこからふたりの運命は、雄介の記憶によって大きく動き出すことに。医学的に証明されていなくても、症例はいくつも報告されているという“記憶転移”が引き起こすドラマに、「もし自分だったら」と思わず引き込まれます。

俳優陣の名演技に注目


本作の1番の見どころといっても過言ではない豪華な俳優陣の演技力。葛藤、悲しみ、愛が入り混じる複雑な感情を見事に表現しています。
有村架純はハキハキとした話し方や豊かな表情変化で、エネルギッシュで芯のある強い女性・さえ子を好演。毅然とした態度を貫いてきた彼女だからこそ、抑え込んでいた悲しみがあふれ出てしまうシーンではより一層切なさが際立ちます。
成瀬の妻・ミキ役を務めた中村ゆりの演技は、あまり馴染みのない“記憶転移”を身近に感じさせるリアルさがありました。実はこの役を演じるにあたって、実際に心臓移植を受けた人や家族の手記を読んだとのこと。命の重さを実感した人々の言葉を受けたことで、記憶転移による成瀬の変化を必死に受け入れようとする演技にリアルさが滲み出たのではないでしょうか。
そんな献身的な妻に支えられる成瀬を演じた坂口健太郎は、正反対な性格である成瀬と雄介を混在させた難しい演技に挑戦。心臓移植を経て性格が少し明るくなった様子を、露骨にではなく、“確かに雄介の面影を感じる”という絶妙なバランスで演じています。彼は命を救われて幸せになるはずでした。しかし、雄介の記憶と自分の本音が混同して苦しみ、つらい日々を送ります。その苦しみと葛藤する演技こそが、本作に惹きこまれる重要な要素となっているのではないでしょうか。
そんな3人の悲しみや苦しさが色濃く映るのは、やはり雄介の存在があるからでしょう。底抜けに明るい雄介を演じる生田斗真の演技がとにかく自然で、登場シーンはそこまで多くないものの全体を通して大きな存在感を残しています。彼の深い愛情が元になった記憶が、物語の切なさを強調させています。

撮影セットの秘密に驚き!?


本作は切ないストーリーだけでなく、目を奪われる圧倒的な映像美も注目ポイント。ドローンを駆使して撮影された、物語の舞台であるハワイと北海道・小樽の雄大で美しい景色が作中に映し出されています。
真っ白の雪に包まれた山道やどこまでも広がる綺麗な海、新緑に染まる山を抜けていく1両の電車。心が温かくなるような田舎の景色から息を呑むような壮大な絶景まで、どの映像を見ても圧倒されることでしょう。
また風景のみならず、ハワイの空港やおしゃれなカフェも魅力的。ガラス張りの空港は明るい陽射しが差し込む開放的な空間となっており、窓から見えるエメラルドグリーンの海も印象に残ります。ただこの空港、実はハワイではなくニュージーランドの施設を改造して撮影されたのだとか。また、雄介が働いていたカフェも使われていなかった倉庫にいちから作ったそうです! もちろんテラスや桟橋もすべて手作り。そんな驚きの撮影セットにも注目です♪

コーヒーの描写に対するこだわり


物語の大切なアイテムとして登場するコーヒー。美味しそうに味わうシーンはもちろん、ハワイの広大なコーヒー農園で栽培をする様子も映し出されます。コーヒーの実の熟度をひと粒ずつ確かめながら摘むシーンや、さえ子が職場で商品開発のために焙煎豆の香りを確認しながら話し合う場面など、いたる所からコーヒーの描写に対するこだわりを感じます。
また、さえ子や成瀬が手動ミルで豆を挽いてコーヒーを抽出しじっくりと味わう姿は、つられてコーヒーを淹れたくなるほど魅力的。雄介曰く、コーヒーには自身の置かれた状況に対する見え方が変わったり、気づかなかった美しさを見つけられたりする力があるのだとか。そんなコーヒーを飲みながら「さよならのつづき」を見ると、新たな美しさを発見できるかもしれませんね♪

まとめ

豪華俳優陣の名演技と、壮大な映像美で紡がれる切ない大人の恋物語「さよならのつづき」。登場人物の運命はそれぞれ驚きの結末を迎えます。ぜひ、涙を拭くハンカチと美味しいコーヒーを用意してお楽しみください♪
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