
豪華キャストが集結!「ドント・ルック・アップ」

約6か月後に迫った人類滅亡の危機。この事実をどうやって世界に知らせるのか……?
「ドント・ルック・アップ」は、2021年 公開のコメディ作品 。彗星衝突という地球の危機的な状況を背景に、天文学者とその教え子が世界にその事実を伝えようと奔走する姿が描かれています。
脚本と監督を務めるのは、「マネー・ショート 華麗なる大逆転」で、アカデミー監督賞・脚色賞に初ノミネートされ脚色賞を受賞したアダム・マッケイ。
本作は配信からわずか1週間で1億5200万時間を超え、第94回アカデミー賞では作品賞、脚本賞、編集賞、作曲賞の4部門にノミネートされ話題となりました。

豪華俳優陣が出演


豪華俳優陣が出演していることでも注目された「ドント・ルック・アップ」。作中では、それぞれの俳優が持ち味を生かした演技を披露しています。ここではメインキャラクターと演じる俳優陣を紹介。
・レオナルド・ディカプリオ
10代から子役として活躍し、1991年公開の「クリッター3」でスクリーンデビューを果たしたレオナルド・ディカプリオ。今回「ドント・ルック・アップ」で演じたのは、主人公の天文学者・ランドール・ミンディ博士です。その甘いマスクで世界中を魅了したことで知られているディカプリオは、作中でもセクシーな天文学者としてモテモテな役を演じます。
彗星の恐ろしさを世間に訴えようと奔走しますが、どこか頼りない雰囲気が漂うミンディ博士になりきるディカプリオの演技力に注目です。
・ジェニファー・ローレンス
「ハンガー・ゲーム」シリーズや「X-MEN」シリーズに出演していることで知られるジェニファー・ローレンス。今回彼女が演じたのは、地球に深刻な危機が迫っていることに気付いた大学院生ケイト。科学者として真剣に危険を伝えようとする姿や、SNSや恋人との関係で苛立つ若者らしい姿をローレンスが見事に表現しています。
・メリル・ストリープ
2006年に公開された「プラダを着た悪魔」で、鬼上司のミランダ役として出演し、強烈なインパクトを残したことで話題に。2008年公開のミュージカル映画「マンマ・ミーア!」では美声を披露するなど、多彩な才能を持つことで知られるメリル・ストリープ。
今回彼女が演じたのは、地球の危機に無関心な大統領。アメリカを代表する大女優が放つ存在感と、ユーモアな演技は必見です。
その他にも、ロブ・モーガンやジョナ・ヒル、ティモシー・シャラメなど、多彩なキャストが出演。「ドント・ルック・アップ」では、思わず「あの俳優がこんな役を!?」というシーンが度々あるので映画好きには是非とも見てほしい一作です。

あらすじ


以下、ネタバレを含みます。
物語は、天文学者 ランドール・ミンディ博士の教え子・ケイト・ディビアスキーが新しい彗星を発見したことから始まります。しかし、その彗星の軌道を計算すると、地球との距離が縮まっていることが判明。なんと、その彗星は約6カ月後地球に激突するという、衝撃の事実が明らかに。
2人はこのことを世間に伝えようと、NASAで惑星防衛調整局長を務めるオグルソープ博士に電話をかけます。するとオグルソープ博士は首都に彼らを呼び寄せ、3人はアメリカ大統領に会うことに。

大統領と対面


ミンディ博士とケイト、そしてオグルソープ博士がいざホワイトハウスを訪れると、大統領は自身のスキャンダルと支持率の問題のことが優先で、1日目は会えずに終わってしまいます。
2日目にやっと大統領に会うことができますが、大統領は「胡散臭い小惑星だか彗星だか」「馬鹿げてる」と言い、全く危機感を感じていない様子。
オグルソープ博士は、彗星の軌道をそらす計画をすぐに実行するよう大統領に伝えるも、相変わらず自身の中間選挙のことばかり気にしており、地球に向かう彗星を「静観し精査しましょう」と言うだけ。
ミンディ博士も、必死にこの危機的状況について説明しますが、大統領は「私は忙しいの」と言い出て行ってしまいます。

テレビに出ても変わり者扱い


大統領に鼻であしらわれたミンディ博士らは国民に危機を訴えるため、マスコミに情報をリークすることを決意。そこで、ケイトの彼氏・フィリップを通じて記者を紹介してもらうことに。
そんな2人は「ザ・デイリー・リップ」という番組に朝一で出演することが決まります。
しかし、その番組の司会者たちは2人の主張を真面目に聞くことなく、面白おかしいトークとして扱うだけ。
必死に番組内で危険を訴えるも、変わり者扱いされ、司会者もスタッフも笑い、この状況に耐えられなくなったケイトは、泣きながらスタジオから出て行ってしまいます。
番組終了後にネットの反応を見ますが、彗星の話題は全く出てきません。
さらには番組の視聴者によって、ケイトがSNSで叩かれた上に「人類滅亡を唱えるバカ女」だと彼氏にフラれてしまうという事態まで発生。それとは逆にミンディ博士は「終末のセクシー預言者」ともてはやされ人気者になり、雑誌の表紙を飾ったり子供向けの番組に出演したりすることに。

謎の大富豪登場

一方、大統領は「名門大卒の一流科学者にデータは事実だと検証させた」と、ようやく彗星の脅威を認め、ミンディ博士らに謝罪してきます。
最悪のシナリオを回避するため、そして中間選挙の支持率対策のために、大統領は史上最大のチームを動員し歴史的な任務を進めることを決定し、国民へ大統領声明を出すことに。
その歴史的な任務の内容とは、使われていないスペースシャトルと人工衛星に核爆弾を搭載して飛ばし、彗星に衝突させて軌道を変えるというものでした。計画通りスペースシャトルを打ち上げ、作戦に関わった人々 は大喜び。これで地球は救われたかと思ったら、なぜかスペースシャトルが戻ってくるという事態が発生します。
困惑する人々の前に現れたのは、ハイテク企業バッシュのCEOであり、人類史上3番目の金持ち、そして大統領の有力支援者のピーター・イッシャーウェルという男でした。このピーターの出現によって、事態は思わぬ方向へと進み始めます……。

みどころ


「ドント・ルック・アップ」の最大の見どころはなんといっても、鋭い社会批判とユーモアの融合。科学者たちが地球の危機的な状況を訴えかけるも、政治やメディア、SNSでそれを軽視する様子が描かれています。本作はコメディですが、情報の取り扱いや、科学や自然に対して理解がない人々、そして危機への無関心さなど、現実的な恐ろしさを感じる場面が度々映し出されます。
中でも、巨大 彗星の脅威を広めようとミンディ博士とケイトが奔走するシーンは、緊迫感とコメディの要素が絶妙に組み合わさっているポイントではないでしょうか。
もちろん笑えるシーンもたくさんありますが、彼らがSNSでバッシングを受けて、普段の生活にまで影響が出るなど、現代社会で問題とされているようなシーンはとてもリアル。
そして、ストーリーの展開が速いというのも見どころのひとつ。何かが起きた後に、事態は急展開という場面が多く、2時間以上ある本作ですが、飽きずにあっと今に見終わってしまいます。
対立する人々、街で起こる暴動、SNS、地球の危機と家庭の崩壊、一見何の関係も無いようで全てが繋がっている世界。人々の欲望や心の弱さが作り出す、恐ろしいほどリアルに描かれた本作の世界観に引き込まれ、一瞬たりとも目が離せません。

あの歌姫も出演


作中に登場するお騒がせな歌姫・ライリー・ビーナを演じるのは、大人気アーティストのアリアナ・グランデ。演技だけではなく、コンサートのシーンでは実際に歌う姿も披露しています。ライリーはミンディ博士と知り合ったことによって、はじめは信じていなかった彗星の衝突に危機感を感じ始めます。
コンサートのシーンでは、スコット・メスカディ演じるDJチェロと共に「Just Look Up」という曲を披露。作曲を手掛けたニコラス・ブリテルによれば、まだ歌詞がない状態で曲のコードを弾いたところ、30秒後にはアリアナが即興で歌っていたそう。
まるでライブ映像を観ているかのようなワンシーンは、アリアナのファンなら必見です!

まとめ

社会風刺とユーモアが交錯するコメディ映画「ドント・ルック・アップ」。こんなことが現代に実際に起こったら自分はどうするか、結末はどうなってしまうのかなど、さまざまな想像をしながら楽しめる一作です。
ぜひNetflixで「ドント・ルック・アップ」をお楽しみください。
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