
前代未聞の救出作戦!?「新幹線大爆破」時速100キロ以下で爆発する新幹線をどう止めるのか

日本が世界に誇る鉄道インフラ、新幹線。かつては時速210キロだった最高速度も現在は時速320キロに到達し、高速化に比例して安全に停止させる技術も向上しました。地震が起こると早期地震検知システムが働くように、非常事態には緊急停止するようなシステムが搭載されています。
そんな新幹線の”速度”と”安全面”を逆手に取ったパニック・サスペンス映画「新幹線大爆破」のリブート作品がNetflixで独占配信中! 1975年に公開された同名映画の大ファンである樋口真嗣監督がメガホンを取り、JR東日本の特別協力と最新のVFX、特撮を駆使して再構築しました。そこで今回は、令和版「新幹線大爆破」の見どころをたっぷり紹介します。

あらすじ

今日もいつも通り新幹線に乗客を乗せ、新青森駅を出発した車掌の高市。しかし、発車から程なくして「JR東日本ご意見承りセンター」に一通のメッセージが届きます。内容は、高市が乗るはやぶさ60号に爆弾を仕掛けたというもの。しかもその爆弾は、走行速度が時速100キロを下回ると爆発する仕掛けになっているのです。
非常事態に備えて緊急停止できる新幹線の裏をかく巧妙な手口。そして終点の東京駅まで残された時間は約5時間半。果たして、制限時間内に350人の乗客を救うことはできるのでしょうか。

乗客を救うべく奔走する鉄道人のかっこいい姿


本作の見どころのひとつは、乗客を守るために奔走する鉄道人の姿です。斎藤工が演じる新幹線総合指令所の総括指令長・笠置は爆弾の件を知り、すぐさま全列車を退避させることを決断。これは現代の過密ダイヤにおいてかなり思い切った判断で、他の輸送司令員たちは困惑の色を浮かべました。
しかし笠置はそんな空気を「お客様の安全に勝る運行はない」と一刀両断。彼の言葉を受けて輸送司令員たちは一斉に各自管轄している車両との連携を図りますが、そこで新たな問題が発生します。他の新幹線が車両トラブルで起動不能になってしまったのです。このままでは、はやぶさ60号と衝突してしまう……。打開策として、現在走っている上り線から下り線へ移動する逆線運転を考えますが、他の車両が走行中で実行できません。
そこで笠置は、対向車線を走っている車両がポイント切り替え地点を過ぎた直後に、はやぶさ60号を上り線から下り線に移す作戦を提案。のん演じる運転士の松本は、対抗車両が通り過ぎる時間を1秒でも稼ぐべく、爆発寸前の時速102キロまで速度を落とすように命じられます。
これ以上スピードが落ちたら即爆破。そんな緊張感の中、ふたつの新幹線はほぼ同時にポイント切り替え地点に到達しました。そして、ギリギリのタイミングではやぶさ60号が下り線に入ると車体同士が接触! 火花が散り車内が大きく揺れたものの、なんとか時速100キロ以上を維持したまま上下線の入れ替えに成功しました。

開始早々息もつかせぬ展開。しかし、この作戦はまだ序の口に過ぎません。次に挑む乗客350人を救出するための思い切った策や、東北新幹線の常識を覆す大規模な提案など、前代未聞の救出作戦が続きます。模型を使ったシミュレーションでさえ息がつまる作戦を怯むことなく実行する鉄道人たち。どんなに極限状態だとしても、乗客の命を守ろうと奮闘するプロの姿に心揺さぶられること請け合いです。

まさかの旧作の続編!?

本作で視聴者を驚かせたのが、1975年の事件が起きたあとの世界線が舞台になっているということ。この設定は、犯人の手口が1975年のひかり109号の事件とそっくりであることから、統括本部長が「まるで109号事案じゃないか」と呟くシーンで明かされます。
そのほかにも、警察が捜査の参考のために109号事案の映像を見るシーンで旧作の映像が使われていたり、当時の事件に関与していた人物の名前が挙がったりと、原作をリスペクトした場面が多数登場。旧作を視聴してから見るのも、後から旧作を振り返るのもおもしろい展開となっています。
また、旧作では犯人役の高倉健目線で描かれていた物語が、本作では車掌・高市役の草彅剛視点に変わっているのもポイント。JR側から事件を映すことで犯人探しというサスペンスが楽しめることに加え、乗客と接する車掌が非常事態の際にどれほど厳しい状況に置かれるのかというリアルな側面を見ることができます。

馴染みのある実際の新幹線が爆発!?


本作はJR東日本の特別協力の元、実際の新幹線車両や施設を使って撮影されました。運転席からの景色、車掌室、自動ブレーキに関わる配線、新幹線が併走する映像。電車好きにはたまらないレアな光景から、馴染みのある車内までリアルな映像がふんだんに使われています。そこに最新の特撮やVFXを融合させることでスペクタクルな演出が実現! 新幹線ならではのスピード感ある展開と、ハラハラドキドキの救出方法に手に汗握る映像を存分にお楽しみください。

まとめ

旧作が東京発博多行きの新幹線だったのに対し、新青森駅発東京行きと運行距離が短くなった本作。走行速度も上がっているため、乗員乗客を救う制限時間も短くなりました。ただ、鉄道人の技術やビデオ通話を利用した作戦の共有スピードが向上しているのも事実。すべてにおいて速度が上昇した現代で、はやぶさ60号はどうなるのか。衝撃的なクライマックスを本編でご覧ください!
Netflix映画「新幹線大爆破」独占配信中


