悩みを抱えた人たちが「深夜食堂」へ集う! メニューにない料理の裏話に感動
深夜12時の新宿。 仕事やそれぞれの予定を終え、終電がなくなる前に、急ぎ足で家に帰る人が増える時刻。
しかし、中には帰りたくないという人や、深夜まで働いている人たちも。
お客さん1人1人に合わせて、心がホッとするような料理を提供してくれる“めしや”。
そこは、深夜から開店する「深夜食堂」と呼ばれるお店です。
「深夜食堂: Tokyo Stories」は安倍夜郎氏によるマンガが原作。
ドラマや映画、ミュージカルなど幅広いメディアで、展開されている作品です。
コミックスは27巻まで発刊されており、現在も連載中。
2009年に始まったテレビドラマの放送から、現在Netflixで配信中のオリジナルドラマも含めると、10年以上続くほどの人気ぶりです。
たくさんの美味しい料理がある日本ならではの「食」がメインテーマ。
1話ごとに訪れた人に関係した料理と、それにまつわるエピソードが楽しめます。
エピソードは各話ごとに笑えたり、切なくなったり……。
短い1話の中に深い話がしっかりと収められているのがみどころ。
一気観するもよし、1日1話ずつゆっくり楽しむもよし♪
思わずほろっと涙してしまった、恋愛に関するエピソードをシーズン1から2つ紹介します。
結ばれないトンテキ
深夜食堂の店内には小さなカウンターがあるのみで、メニューは豚汁定食とお酒だけ。
しかし、マスターに食べたい料理をリクエストすると、材料があれば頼んだ料理をつくってもらえます。
小腹を満たせるようなちょっとしたメニューから、しっかりとしたご飯まで幅広い一品が登場!
観ているとお腹が空いてきます……。
第3話に登場する「トンテキ」。
トンテキを注文するのは不動産会社に務める、少し惚れっぽい性格の重美。
彼女はいつも深夜食堂を訪れると、せっせと編み物をしながらトンテキをつまんでいます。
少しでも優しいなと思うと、すぐ好きになって空回りしてしまうタイプで、物件を紹介した客や職場の同僚など、好きな人ができるたびに編み物を渡していました。
しかし、彼女の恋はいつも一方通行。
この日もトンテキを食べていると、先日事務所の物件を紹介した男性がやってきました。
爽やかな笑顔で挨拶をされて、重美はときめき、満面の笑みを浮かべます。
それもつかの間、男性の後ろからは女性の姿が……。
一瞬にして失恋をした重美は、彼らが帰った後、すぐに先ほどまで編んでいた編み物をときはじめました。その編み物は彼にあげるものだったようで、ちょっと悲しい展開に。
好きな人ができたとき、どんな行動をするか。人によって様々ですが、大人になればなるほど慎重になってしまうことも多いでしょう。
重美のように「好き!」と、すぐ行動に移せることは羨ましくもありますね。
好きになった人を想いながら編んだものは、完成する前に解かれてしまうことがほとんど。
なかなか重美の想いが届く日はやってきません。
しかし、意外と身近にいる人物が好意を寄せくれている、なんてことも……?
果たして、重美が大好きなトンテキは良縁をつないでくれるのでしょうか。
少女漫画のように甘酸っぱいエピソードの結末はいかに!?
愛する人へのオムライス
第4話はオムライス!
オムライスは、味付けや見た目に個性が出る料理ですよね。
作る人によって、卵がとろとろのものや豪華なシチューをかけているものまで。
深夜食堂のマスターが作るのは、チキンライスを卵で包んでケチャップを添えたシンプルなオムライスです。
オムライスをリクエストしたのは、雨の日にびしょ濡れで来ることが多い若手物理学者の雨宮。
そばでは、常連である韓国人女性のユナが先に食事をしています。
雨宮は、難しそうな資料を片手に独り言を言いながら、注文したオムライスが来るとせっせと食べはじめました。
ユナは、その様子をクスッと笑いながら見ています。
雨宮が鼻にケチャップをつけながら食事をする姿が微笑ましく、思わず笑みがこぼれたのでしょう。
ふたりの食事が一段落した頃、店の時計が「ボーン」と時間を告げると、ふたりはそれぞれ会計をして店を出ました。
しかし、外はまだ大雨。
びしょ濡れになることが目に見えているうえ、小銭を落としてあたふたしている雨宮。
彼のことを見過ごせなかったユナは「近いから!」と傘を差し出します。
返せないのを理由に断ろうとする雨宮に、ユナは「ここにいますから」と、働いている店の名刺を渡しました。
これに対し、雨宮は「はあ、そういうことですか。」と即答。
遠回しに「客として店に来てほしい」と言われていると考えた結果の回答かと思いきや……。
なんと、回答はユナの言葉に対してではなく、少し変わった形の傘に向けてだったのです。
さすが、頭の回転が速すぎる物理学者の雨宮。
傘の形からヒントを得てなにかひらめいた彼は、計算式を書きたくて頭がいっぱい!
近くの交番に駆け込んで、交番の窓にペンで図形や「ヒッグスポテンシャル」の理論を書き始めてしまいます。
ユナと警察官は、雨宮の興奮についていけず、呆然……。
ヒッグスポテンシャルについての説明は、しっかり紹介テロップがあるので安心してくださいね!
この深夜食堂での不思議な出会いをきっかけに、ちょっぴり変わりものの雨宮と、心優しいユナが恋に落ちるまではあっという間でした。
ふたりが順調に距離を縮めて、少し経った日の深夜食堂の開店時間前。
ユナがたくさんの食材を持ってマスターのもとにやってきました。
彼のために美味しいオムライスが作りたいので、マスターに教えてもらいたい、とのこと。
健気なユナとせっかちな雨宮、ふたりの関係性がオムライスを通してどうなっていくのか……。
切なくもハッピーエンドなストーリー、ぜひ見届けてください。
まとめ
「深夜食堂: Tokyo Stories」は、深夜の街で繰り広げられる、さまざまな人間模様と美味しい家庭料理を楽しめるドラマ。
渋い昭和の雰囲気が漂うオープニング曲も心地よく、1話観るだけで、まるで短編小説を読んだような気持ちになれます。
各エピソードの最後には、それぞれの話に登場する料理を美味しく作るために必要なコツの紹介も!
ぜひ最後までじっくり味わってください♪