まるで舞台演劇!?奇想天外で芸術的な「ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語」

まるで舞台演劇!?奇想天外で芸術的な「ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語」

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サクッと鑑賞できて、面白さも満点! そんな短編映画はいかがですか?

「チャーリーとチョコレート工場」の原作「チョコレート工場の秘密」の作家、ロアルド・ダール。本作は、彼の著書「奇才ヘンリー・シュガーの物語」を元に製作されました。
第96回アカデミー賞では短編実写映画賞を受賞。

寝る前のちょっとした時間や、通勤・通学の移動時間で手軽に観られる映画を探しているあなたにおススメ!
まるで不思議な絵本に入り込んだような世界へ迷い込んでみませんか?

あらすじ

あらすじ

この物語は、とある作家が物語を書く準備をしているところから始まります。
作家は執筆の準備が整うと、大金持ちの青年「ヘンリー・シュガー」について語り始めました。

ヘンリーという男はお金持ちでケチ。
彼は独身ですが、その理由は妻にお金を渡したくないから、というほどお金に執着しています。

作家は語りながら、ゆっくりと椅子の上に置いてあった原稿用紙を除け、次のシーンに移動。
物語の進んでいく様子はまるで舞台演劇。

背景セットと共に作家が移動した先は、物語の主人公・ヘンリーが外の雨空を眺めているところ。
ヘンリーが登場してからは彼が語り部に。そしてヘンリーは視聴者に淡々と語りかけます。

ヘンリーはある日、ウィリアム卿の家を訪ねていました。
暇を持て余したヘンリーは、ウィリアム卿の書斎を散策し始めます。
書斎には、天井までいっぱいに美しい革表紙の本が並んでいました。
しかし、ヘンリーは興味が湧きません。
蔵書をぼんやりと眺め、部屋を出ようとしたとき、1冊の本に目が留まりました。

日記のようなその薄い本は、数ある蔵書の中でも、ひと際異質な存在。
ヘンリーが手に取った本の表紙には「イムダット・カーン面談記 目を使わずに見る男」と書かれていました。

ヘンリーはその本を読み始めます。
とある医学博士が、「目を使わずにものを見ることができる男」"イムダット・カーン"について書き記したものでした。

ページをめくると、イムダット・カーンが、医学博士を訪ねています。
イムダット・カーンは、「目を使わずに見ることができる」と告げました。
博士たちは、彼に疑いの眼差しを向けます。
しかし、イムダット・カーンは博士たちを驚かせました。
顔を包帯でぐるぐる巻きにされても、まるで見えているかのように、様々な芸をやってのけるのです。
目隠しのまま、病院を走り抜け、自転車に乗り……!

本には、不思議な力を得た方法が書かれていました。
ヘンリーは「この力はギャンブルに使える!」と閃きます。
そして、ギャンブルでイカサマをするために、この力を身に付けようと試みるのですが!?

ヘンリーの自伝?

ヘンリーの自伝?

独特の語り口調やその内容から、ヘンリーの自伝やドキュメンタリーのような演出。
でも、ストーリーはとってもファンタジー!
ヘンリーは、既にお金持ちですが、ギャンブルで勝つために透視能力を習得しようと修行を積みます。
だんだん修行そのものを楽しいと感じるようになり、彼自身にも変化が……。
そして、見事に透視能力を開花させます。
なんだか、夢がありますね。

全体を通して、朗読のような語り口調。
リズム良く淡々とストーリーが進んでいく様は耳心地がいいです。
キャラクター自らが行動や心情を喋るので、まるで台本のト書きを聞いているような感覚になります。

斬新な衣装・舞台セットのデザイン!

斬新な衣装・舞台セットのデザイン!

この作品の特徴的なポイントは、なんといっても背景のデザイン!
舞台演劇のように背景セットが動いて、場面転換が行われます。

デザインそのものも斬新で美術的なところが、見応え抜群です。
簡単なつくりのようでいて、背景の書き込みや色彩は鮮やか!
多彩な工夫を凝らしていて、簡素に見えるセットから仕掛け満載なセットまで。
本物の舞台装置を見ているようでワクワクします。

細部に至るまで綿密に計算されたセットデザイン。
アンダーソン監督作品の特徴で、観客を飽きさせないと評価されている点でもあります。

どの場面も1枚の絵画のよう。キャラクターが入ることで完成する構図にも驚きです。

豪華な俳優陣

豪華な俳優陣

約40分の短編映画ですが、キャストの豪華さには驚き!
サクッと観ることができますが、これでもかという贅沢な作品です。

ヘンリー・シュガーを演じるのは、ベネディクト・カンバーバッチ。
抜群の演技力で、クセのあるヘンリーを見事に演じています。

本作には、たくさんのキャラクターが登場。
数名の俳優が、1人何役も兼任しているところも注目のポイント。
場面によって他のキャラクターも登場しますが、基本的に主要メンバーでストーリーが進んでいきます。

他にも、レイフ・ファインズ、ベン・キングズレー、デヴ・パテル、リチャード・アイオアディ、ルパート・フレンド、と名優揃い。

画像

個性的な俳優陣、注意して観ていればすぐに顔がわかりそうなもの。
しかし、物語に入り込むと、それぞれ役の雰囲気が違いすぎて全く気付けない……。
誰がどのキャラクターを演じているか、探しながら視聴するのも楽しいですよ。

多彩な演技力

多彩な演技力

ベネディクト・カンバーバッチの七変化は圧巻!

パジャマやスーツ、タキシード、警備員、リゾート服、麗しい女装などなど……。
まるで、ファッションショーを見ているよう。
様々なスタイルや表情が楽しめるのでファンは必見です。

知的で洗練された雰囲気から、ユーモアあふれるコメディまで!
独特の存在感を持ち、幅広い役柄を演じることができるベネディクト・カンバーバッチ。
そんな彼ならではの演技をたっぷり味わってみてはいかがでしょうか。

まとめ

透視能力を持つ男がギャンブルをする。

お金にケチな主人公の物語かと思いきや、男の心の変化と成長を描き出す、ハートフルな物語。

人生において大切なものは何か?
考えさせられる奥深さもある作品です。

全編を通して、本の朗読を聴いている感覚になります。
ゆっくりしたい時にぼんやり眺めて聞き流すのもいいでしょう。

吹き替えと字幕の意味が同じでも、正反対の言い回しをするユニークさ。
吹き替えで観ても、字幕で観てもよし!

是非、自分なりの楽しみ方を発見してみてください♪

Netflix映画「ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語」独占配信中

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