平凡な男がある日殺人犯に?ラストまで予測不可能な「殺人者のパラドックス」は一度観始めたら止まらない面白さ!
サスペンスドラマ好き必見!ダークヒーローという言葉では足りないくらい、悪か正義か最後まで判断に迷ってしまう「殺人者のパラドックス」。
単調な愛憎劇ではなく、考察やスリルを楽しみたい人にこそおススメ!
ホラー要素はなく時代背景も現代なので、世界感にスっと入り込めますよ!
スリル満点なあらすじ
平凡で、これといった取柄もない大学生のイ・タン。
怠惰に過ごす日常。ある日コンビニのバイトで、態度の悪いお客に絡まれてしまいました。
イライラしつつも、無事その日の勤務時間を終えます。
家へ向かう帰りの道中、男が寝ている姿を発見しました。よく見るとコンビニで絡んできた男。極力関わりたくはないイ・タン。
しかし、お客を見過ごすことができない彼。先ほどまで男と一緒に居た友人らしき人物に助けを求めようと声を掛けました。
声をかけられた男は苛立った様子で、イ・タンに暴力を振るいはじめます。
何が起こっているかわからないくらい殴られ続けました。
彼は過去の記憶がフラッシュバックして……。
過去の記憶を打ち消そうと、手持ちのハンマーで殴りつけて振り払おうとします。しかし、そこは記憶の中のイメージではなく、血を流している男がいる現実。
男は声を掛けるとフラフラと歩き出し、店のシャッターにぶつかります。それもつかの間、倒れて動かなくなってしまいました。
そんな一部始終を、犬を連れた女性に見られてしまったようです。どうもその犬は盲導犬のようで……。
目撃者はいなかったと、息を殺してやり過ごすイ・タン。
勘の鋭い警察官のチャン・ナンガムに疑いを掛けられます。しかし、犯行現場からは何故か証拠が1つも出ません。
それどころか、イ・タンが手を下した男が、実は罪を犯した指名手配犯だったのです。
盲目だったと思っていた女性は、実は目が見えていて、殺人を犯したイ・タンにお金を要求してきました。
陰湿な目撃者に脅され、金銭を要求されたイ・タンは、再び犯行に手を染めてしまいます。
しかし、その被害者も過去殺人に手を染めた殺人犯であり、イ・タンはまたも疑惑から逃れることができたのでした。
疑惑から逃れることができているものの、良心の呵責から、自分のしてしまったことを悔いつつ、自首を試みようとするイ・タン。
そんな彼に出会いが訪れます。
手を下した人間が”必ず犯罪者である”ことは、特殊な能力の持ち主であると断言するノ・ビン。共に法で裁けない悪に鉄槌を下していくことに……。
イ・タンは犯罪者を見抜く特殊能力者なのか?
犯行は本当に誰にも暴かれないのか?
己の能力を信じ、断罪する彼。
最後に残るのは、"悪"か"正義"か―――――。
リアルなサスペンスとSF要素
殺人を犯してしまった主人公のイ・タン。その殺した相手は、世間に裁かれるべき凶悪犯でした。
相棒となるノ・ビンは、仮説を立てます。
イ・タンには犯罪者を見分ける能力があり、痕跡が残らなかったり、上手く逃げ切れたりする力も備わっているのでは?
仮説を裏付けるかのように、証拠を隠滅しようとしていないのに、何故か証拠が次々と消えていきます。
ノ・ビンは、世の中を正すために力が必要と考え、あらゆる努力をしてきましたが、自分一人の力ではどうしようもないということに気がついていました。
そんな中、偶然にもイ・タンを発見し、殺された人たちが犯罪者であるということを突き止めたのです。
ノ・ビンは、インターネット・パソコンや映像機材に詳しく、イ・タンに一緒に世直しをしたいと持ち掛けます。
元警察官のソン・チョンもイ・タンと同じように犯罪者を見つけては罰を与えんとばかりに行動していました。性格も目的もイ・タンとは全く異なります。
ソン・チョンは、イ・タンと同じように殺人を犯している人を裁いているようでいて、殺人そのものを快楽として楽しんでいるような男です。ソン・チョンが裁く犯罪の罪の重さには幅があり、その方法は残忍。
ソン・チョンは、かつてノ・ビンの相棒でした。
ノ・ビンは、自分の信念とのズレを感じ、ソン・チョンとの相棒関係を解消。ソン・チョンは、ノ・ビンが第二の相棒を見つけたと聞き、興味津々でイ・タンに近づいてきます。
自分に持ち合わせていない"犯罪者を見分ける力"がイ・タンにあるのかどうか。
ソン・チョンの好奇心は増すばかりです。
イ・タンの特殊能力はノ・ビンの仮説でしかないため、"本当にそんな能力が存在するのか"という疑問を抱え、証拠を探しながら観てしまいます。
その不確定な要素が、最後までハラハラドキドキを継続させてくれるポイントのひとつ。
奇跡的な偶然ではないのか?
証明されている出来事があっても思わず疑ってしまう……。
真相や展開が気になってしまい、物語から目が離せませんね。
縦読み漫画が原作!
本作は、漫画「殺人おもちゃ~殺人者のパラドックス~」が原作です。
原作の漫画絵は、思わず驚いてしまうくらいシンプル!
あの絵柄や雰囲気がこうもシリアスな実写になるとは……。
原作ではデフォルメがきいたキャラが4コマのように淡々と日常を進めていく中で、不意に葛藤や事件が訪れます。
ダークな内容に対し、本作と対照的な可愛らしい絵柄には腰を抜かすかもしれませんね。
漫画の良さを生かしつつ、シリアスさやドロドロした胸の内を描き出していますよ!
演技力抜群の俳優陣!
チェ・ウシクさん演じるイ・タン。
普段のオドオドした性格の主人公と、悪や犯罪に向き合う際の顔を使い分けている演技力が素晴らしいです。
度々登場するのが、心の中の葛藤や思いが映像として表現されるシーン。
時にコミカルに、時におどろおどろしく、声だけではなく心境が分かりやすい映像演出も見所!
元刑事の連続殺人犯役はイ・ヒジュンさん。
特殊メイクで実年齢よりはるかに年を取った人物を演じているそう!
特殊メイクとはいえ、表情や動きで役にしっかり馴染む演技には脱帽です。
刑事役のソン・ソックさんは、ワイルドでセクシーな役がハマっています。
イ・タンの相棒を務めるノ・ビン役は、キム・ヨハンさん。
オタクかつハッカーの役どころはこの作品のMVPと言えるかもしれません。
それぞれが胸に抱える秘密や信念がぶつかり合う群像劇もドラマを引き立てています。
まとめ
「ヒーローか、凶悪犯か」
犯罪という悪の元に、下される断罪。
ドラマの展開を追うごとに、誰が本当に真実を追い求めていたのか、見方が変わっていきます!
全8エピソードを観終えるまで止まれない。
「正義」と「罪」この深いテーマを是非最後までご覧ください。
Netflixシリーズ「殺人者のパラドックス」独占配信中