ミニシアターを中心に上映したギレルモ・デル・トロの手掛ける世界に感動

ミニシアターを中心に上映したギレルモ・デル・トロの手掛ける世界に感動

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2022年に全国のイオンシネマやミニシアターなど、一部劇場にてひっそりと上映していた、メキシコの映画監督ギレルモ・デル・トロが手がけた作品が、Netflixで再び注目を集めています。

物語の内容を知っている人も多い童話「ピノキオ」を、ギレルモ・デル・トロならではの世界観で描いた作品です。
ギレルモ・デル・トロらしさがどんなところに登場するのか、作品の見どころをご紹介します。

「ギレルモ・デル・トロのピノッキオ」のあらすじ

「ギレルモ・デル・トロのピノッキオ」のあらすじ

ピノキオの原作は、1883年に出版されたイタリアの作家のカルロ・コットーディが描いた「ピノッキオの冒険」という児童文学作品。

木彫り職人の「ゼペット」が、友人からもらった喋る不思議な木をもらい、操り人形を作ります。
そして我が子のように育てるも、嘘をつくことで鼻が伸びてしまうという、ちょっぴり怖さもある物語。
最後には人間の子どもになることができて、ハッピーエンドで終わるという内容です。しかし、ギレルモ・デル・トロのピノッキオは原作をベースに少しちがうストーリーで作られています。

舞台は1930年代のイタリア。木を扱う職人のゼペットは、教会の十字架像の修復に打ち込んでいました。家では、10歳の愛する息子カルロと静かに暮らしていたのですが、ある日受け入れがたい悲劇がゼペットを襲います。

近くの町では戦闘機が爆撃を行っており、狙われていなかったはずの、ゼペット達が暮らす町の教会に爆弾が落ちてしまったのです。
そのときゼペットはカルロとは教会へ出かけていて、カルロは教会の中に……。

愛する息子を不慮の事故で失ってしまったゼペットは、カルロが最後に唯一持っていた松ぼっくりを墓の近くに埋めました。

喪失感からなにもかも手につかなくなってしまったゼペットとは裏腹に、松の木はどんどん大きく成長。
ある雷雨の日、行き場のない悲しみが爆発してしまったゼペットは、半狂乱状態になりながら松の木を切り始めて丸太を家に持ち帰ります。

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一方松の木の中には、自称作家を名乗るコオロギ、「セパスチャン・J・クリケット」が生活をしていました。自分の家が、予期せぬ引っ越しをすることになって大パニック!

大事なセバスチャンの我が家は、ゼペット宅に到着するなりどんどん切り刻まれて、あっという間に少年の形をした人形へと姿を変えてしまったのです。

しかし途中で、完成を明日に持ち越して寝てしまったゼペット。人形になってしまった我が家だったものを見守るセバスチャンは、夜中に不思議な出来事を目の当たりにします。

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そして翌朝には、ただの松の木の人形だったはずのものが、自分の意思で動きしゃべりだし……。
一見ホラーな展開から、ギレルモ・デル・トロのピノッキオの不思議な冒険の物語がはじまります。

ギレルモ・デル・トロの悲願が叶った!? 実は初のアニメーション監督作品

ギレルモ・デル・トロの悲願が叶った!? 実は初のアニメーション監督作品

この作品の特徴は、登場するキャラクターがみんな特殊なアニメーション技術で描かれていること。

ギレルモ・デル・トロといえば映画「シェイプ・オブ・ウォーター」でアカデミー賞など、4部門を獲得したことで注目を集めましたが、アニメーション作品としてはピノキオが初めてだそう。

ストップモーション界のレジェンドと言われている、マーク・グスタフソンとタッグを組んで生まれたこの作品ですが、ギレルモ・デル・トロはなんと公開の約10年も前から制作に取り組んでいたといいます。

もう存在しているアニメーション作品を自分らしくどう落とし込むのかを考え、ストップモーション・アニメーション、いわゆるコマ撮りで作品を表現することに。
更に、ストップモーションの特性を利用して、通常のアニメーションでは表現できないような動きをあえて描いているのもポイント。

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ただでさえ撮影に時間がかかる作品に、さらに動きを増やしているのはギレルモ・デル・トロのこだわりなのでしょう。

たしかに作品に登場するキャラクタ―の動きは自然なようでちょっぴり特徴的。その不思議さに、より物語に惹きこまれ、魅力を感じずにはいられません。

ギレルモ・デル・トロ自身、日本のアニメーションスタジオに訪問した際に、当時アニメーション作品のCG技術が発展していたのにもかかわらず、あえて手書きで作画をする姿に影響を受けたのだとか。

そのことからいつかアニメーション作品をつくるなら、手書きが生かせるようにしたいと長年考えた結果、生み出されたのがこちらの作品だったのかもしれませんね。

まとめ

制作に様々な工夫があることで、新しいようなレトロなような、不思議な世界観が楽しめる「ギレルモ・デル・トロのピノッキオ」。
原作の物語を知っている人も、あまり知らない人も「新しいピノッキオ作品」として楽しめる映画です。

上映館をミニシアターに選んだのにピッタリともいえる、細かいところまで表現が素晴らしい、ギレルモ・デル・トロ監督初のアニメーション作品を、ぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。

Netflix映画「ギレルモ・デル・トロのピノッキオ」独占配信中

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